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Table1.Physicalcharacteristicsofsubjects。

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Table 2. Jumping height and jumping height/ body height.

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なことが、その理由のひとつであろう。また、年少の子どもでは、上方の目標物に向かってのリーチングが課題になる場合と、単にその場から上方へ跳ぶことを課題にする場合(Bipedalhop)では、跳動作そのものにも、跳躍高にも大きな違いがあることが指摘されている5)。何歳頃からJumpandReachが可能になり、その後どのように習熟していくのであろうか。
本研究の目的は、2歳から8歳の男児を対象に、頭上の目標物へのリーチングを課題にした垂直跳を実験的に行わせ、年齢にともなう跳動作の変容を明らかにすることであった。

研究方法

1. 被検者

本研究の被検者は、2歳から8歳までの健常な男児124名であり、かれらの身体的特徴は表1のようであった。

2. 実験方法

被検者に数回のJumpandreachを練習させた後、頭上にセットされた目標に向かっての最大努力の垂直跳を実験的に3回行わせ、全ての跳動作を右側方15mの地点からビデオカメラ(ナショナルAG.350)を用いて、毎秒60フィールドで撮影するとともに、フォースプラットフォーム(KISTLER社製)を用いて踏切中の地面反力を計測した。実験前に、検者の差し出す目標にむかって跳躍し、最大努力で手を伸ばして触れることを練習させた。その過程で、実験において各被検者に提示する目標の高さを設定した。実験では、「力いっぱい跳びあがって、目標に触りなさい」という指示で跳躍させ、試技ごとに目標をやや高くして最大努力による跳動作を引き出すようにした。

3. 分析項目

踏切における接地力の分析から、力積、重心速度を求め、跳躍高および跳躍高/身長を算出した。動作分析によって、踏切準備局面で最も深くかがみ込んだ時点での腰、膝、足関節の屈曲角度と踏切の離地時における腰、膝、足関節の伸展角度を算出するとともに、腕の動作の年齢変化を分析した。また、滞空局面において上方へ伸ばした手が最高点に達した時の頭部の後方への背屈角度、および腰、膝、足関節の伸展角度を求めた。

研究結果と考察

1. 跳躍高

年少児の垂直跳においては、その跳動作が未熟なためにリーチングテストの方法によって跳躍高を測定することは難しい。これまで、2歳から3歳の子どもの垂直跳における跳躍高に関する報告はみられない。したがって、本研究では踏切での床反力の力積、重心速度から跳躍高を算出した。
その結果、表2のように2歳の平均8.95cmから、8歳の平均31.56cmまで、年齢とともに顕著に増大した。また、跳躍高の身長比(%)をみると、2歳では身長の10%に達しない(9.87%)が、経年的にその値は増大し、8歳になれば身長の24.17%であった。
このような跳躍高の増大は、年齢にともなう跳動作の発達に大きく依存すると思われるので、

 

 

 

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